
シンプルで機能的なデザインが人気の無印良品のリュック。毎日使っていると、どうしても汚れや臭いが気になってきますよね。
「このリュック、家で洗えたらいいのに…」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ洗おうとすると、無印のリュックについている洗濯表示を見てどうすれば良いか迷ってしまったり、そもそも洗濯機で洗って良いものなのか、正しい洗い方が分からなかったりするものです。特に人気の「肩の負担を軽くする」シリーズは、機能性が高い分、洗濯に失敗して型崩れさせてしまわないか心配になりますよね。
また、リュックの素材によっては撥水効果が落ちてしまう可能性も考えられます。この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、無印のリュックの洗濯表示の正しい見方から、中性洗剤を使った手洗いの具体的な手順、汚れの落とし方、型崩れしない干し方、そして撥水性を保つための防水スプレーを使ったケア方法まで、徹底的に解説します。大切なリュックを長くきれいに使い続けるための知識を、ぜひ手に入れてください。
- 無印リュックの洗濯表示の正しい意味
- 洗濯機が使えるかどうかの判断基準
- 型崩れや色落ちを防ぐ正しい手洗い方法
- 洗濯後のケアと長持ちさせる秘訣
無印リュックの洗濯表示と洗う前の重要知識

- 無印のリュックは洗濯機で洗える?
- 洗濯前に確認すべきリュックの素材
- 手洗い推奨の理由と洗濯の基本
- 準備するべき中性洗剤と道具
- 頑固な無印リュックの汚れの落とし方
無印のリュックは洗濯機で洗える?
結論から言うと、無印良品のリュックを洗濯機で洗うことは公式には推奨されていません。多くの無印リュックの洗濯表示タグには、水洗い不可や洗濯機不可のマークが記載されています。なぜなら、洗濯機の強い水流や脱水時の遠心力によって、生地が傷んだり、型崩れしたり、撥水加工などのコーティングが剥がれてしまう可能性があるためです。特に、リュック内部のコーティングが剥がれると、生地が劣化しやすくなるだけでなく、防水性能も著しく低下してしまいます。
洗濯機使用は自己責任で
もし洗濯表示を無視して洗濯機を使用した場合、リュックが破損しても保証の対象外となります。手軽さから洗濯機を選びたくなりますが、大切なリュックを長く使うためには、リスクを十分に理解しておく必要があります。
ただし、どうしても洗濯機を使いたいという場合は、自己責任の上で、いくつかの点に注意する必要があります。例えば、リュックを洗濯ネットに入れ、おしゃれ着コースや手洗いコースなどの弱水流で洗う方法が考えられます。しかし、私であれば、たとえ手間がかかったとしても、後述する手洗いを選択します。その方がリュックへのダメージを最小限に抑え、安心してきれいにすることができるからです。
洗濯前に確認すべきリュックの素材

無印のリュックを洗う前には、必ず素材を確認することが重要です。多くはポリエステルやナイロンといった化学繊維で作られています。これらの素材は比較的丈夫で水にも強いですが、製品によっては特殊な加工が施されている場合があります。
ポリエステル・ナイロン素材
多くの無印リュックで採用されているこれらの素材は、比較的洗濯しやすいのが特徴です。汚れがつきにくく、速乾性もあります。しかし、熱には弱いため、乾燥機の使用や高温でのアイロンがけは絶対に避けてください。生地が溶けたり、縮んだりする原因になります。
撥水加工されている製品
表面に撥水加工が施されているリュックは、洗濯によってその効果が薄れてしまうことがあります。洗剤の成分や、洗濯時の摩擦が加工を劣化させるためです。撥水性を長持ちさせたいのであれば、洗濯の頻度を減らし、汚れた部分だけを拭き取る「部分洗い」に留めるのが賢明と言えるでしょう。もし全体を洗った場合は、後述する防水スプレーでのケアが効果的です。
洗濯表示タグの場所
洗濯表示タグは、リュックのメイン収納部分の内側、側面の縫い目に沿って付けられていることがほとんどです。見つからない場合は、小さなポケットの内側なども確認してみてください。
手洗い推奨の理由と洗濯の基本

前述の通り、無印のリュックは手洗いが最も安全で推奨される方法です。手洗いには、洗濯機洗いにはない多くのメリットがあります。
最大のメリットは、リュックへのダメージを最小限に抑えられることです。手洗いであれば、力の加減を自分で調整できるため、生地を優しく洗い上げることができます。これにより、型崩れや生地の傷みを防ぎます。また、汚れがひどい部分を集中的に、しかし優しく洗うことができるのも手洗いならではの利点です。色落ちのリスクも、目立たない場所で試してから全体を洗うといった対応が可能です。
筆者も実際に手洗いをしていますが、自分の手で丁寧に洗うことで、リュックへの愛着がより一層深まるように感じます。少し手間はかかりますが、大切なものを長く使うための儀式のようなものだと考えています。
洗濯の基本は、「優しく、丁寧に」です。ゴシゴシと強く擦るのではなく、洗剤を溶かした水の中で、衣類を優しく揺らしたり、押し洗いしたりするのがポイントです。この基本を守ることが、リュックを長持ちさせる秘訣となります。
準備するべき中性洗剤と道具

無印リュックの手洗いを始める前に、必要なものを揃えておきましょう。適切な道具を使うことで、洗い上がりの質が格段に向上します。
手洗いに必要な道具リスト
- おしゃれ着用中性洗剤: 生地へのダメージが少ないものを選びます。アルカリ性の洗剤は色落ちや生地を傷める原因になるため避けましょう。
- 柔らかいブラシ: 衣類用ブラシや使い古しの歯ブラシなど。硬すぎるブラシは生地を傷つけるので注意が必要です。
- スポンジ: 広い面の汚れを落とす際に便利です。
- タオル: 脱水時に使用します。吸水性の高い大きめのものを2〜3枚用意してください。
- 洗面器やバケツ: リュック全体が浸かる大きさのものを用意します。
中性洗剤は、一般的な洗濯洗剤とは異なり、繊維への影響が少ないのが特徴です。製品の裏面に「液性:中性」と書かれているものを選んでください。「おしゃれ着洗い用」として販売されている洗剤の多くが中性洗剤にあたります。これらの道具を事前に準備しておくことで、洗濯のプロセスがスムーズに進みます。
頑固な無印リュックの汚れの落とし方
全体を洗う前に、特に目立つ頑固な汚れは部分的に落としておくのが効果的です。このひと手間で、仕上がりに大きな差が出ます。
まずは、中性洗剤の原液を少量、汚れている部分に直接塗布します。そして、水で少し濡らした柔らかいブラシやスポンジを使って、優しく叩くようにして汚れを浮き上がらせます。このとき、円を描くように外側から内側に向かってブラシを動かすと、汚れが広がるのを防げます。
泥汚れの場合は、まず乾いた状態でブラシをかけて、できるだけ泥を払い落としてから洗剤を使うのがコツです。油性のシミ(食べこぼしなど)の場合は、洗剤を塗布した後に少し時間を置くと、洗剤が油分を分解しやすくなります。
強く擦るのはNG
汚れを落としたい一心で強く擦ると、その部分だけ白っぽくなったり、生地が毛羽立ったりする原因になります。あくまで「優しく叩く」「軽く擦る」を意識してください。
部分洗いが終わったら、いよいよリュック全体の洗浄に進みます。この下準備が、全体の洗い時間を短縮し、リュックへの負担を減らすことにも繋がるのです。
無印リュックの洗濯表示に沿った正しい洗い方

- 型崩れを防ぐ手洗いの全手順
- 無印リュック「肩の負担を軽くする」洗濯の注意点
- 撥水効果を維持しながら洗濯するコツ
- 脱水から無印リュックの干し方まで
- 防水スプレーでのお手入れ方法
- 失敗しない無印リュック洗濯表示の総まとめ
型崩れを防ぐ手洗いの全手順
それでは、実際に無印のリュックを手洗いする手順を詳しく見ていきましょう。この手順を守ることで、型崩れや生地の傷みを最小限に抑えることができます。
手順1:洗剤液を作る
まず、洗面器やバケツに、30℃以下のぬるま湯を張ります。熱いお湯は色落ちや縮みの原因になるため、必ず水かぬるま湯を使用してください。そこにおしゃれ着用中性洗剤を製品の表示に従って適量溶かし、よくかき混ぜて洗剤液を作ります。
手順2:優しく押し洗いする
リュックを洗剤液に完全に浸し、全体に水分をなじませます。その後、手のひらで優しく押したり持ち上げたりを繰り返す「押し洗い」をします。時間は5分程度で十分です。特に汚れが気になるショルダーストラップや背中の当たる部分は、念入りに押し洗いをしましょう。
ファスナーは開けた状態で洗うと、内部までしっかりと洗浄できます。また、ポケットの中も忘れずに確認し、ゴミなどを取り除いておきましょう。
手順3:すすぎを丁寧に行う
洗い終わったら、洗剤液を捨てて新しい水を入れ替えます。リュックを押し洗いする要領で、洗剤の泡が出なくなるまで2〜3回、丁寧にすすぎます。洗剤が残っていると、黄ばみや臭いの原因になるため、すすぎは非常に重要な工程です。特に、クッション材が入っている部分は洗剤が残りやすいので注意してください。
無印リュック「肩の負担を軽くする」洗濯の注意点
無印良品の人気商品である「肩の負担を軽くする」シリーズのリュックは、その名の通り、特許を取得したショルダーパッドが特徴です。このパッドは特殊な構造になっているため、洗濯には特に注意が必要です。
このシリーズを洗う際、ショルダーパッド部分を強く揉んだり、ねじったりすることは絶対に避けてください。内部のクッション材がずれたり、偏ったりして、本来の「肩の負担を軽くする」機能が損なわれてしまう可能性があります。この部分を洗う際は、他の部分と同様に優しく押し洗いするに留め、汚れが気になる場合はスポンジなどで軽く叩くようにして洗浄するのがおすすめです。
すすぎの際も、パッド部分に洗剤が残らないよう、優しく押し出すように水分を抜きながら、念入りに行ってください。このシリーズならではの機能を長く維持するためにも、細心の注意を払いましょう。
撥水効果を維持しながら洗濯するコツ
撥水加工が施されたリュックは、洗濯によってその機能が低下しやすいデリケートなアイテムです。撥水効果をできるだけ長く維持するためには、いくつかのコツがあります。
まず、洗濯の頻度を最小限にすることが最も重要です。全体が汚れていない場合は、固く絞った布で表面の汚れを拭き取る程度にしましょう。全体を洗う必要がある場合は、洗剤のつけ置き時間をできるだけ短くし、すすぎを素早く行うことを心がけてください。洗剤が生地に触れている時間が長いほど、撥水加工への影響も大きくなるためです。
柔軟剤は使用しない
柔軟剤は生地の表面をコーティングし、撥水効果を著しく低下させる原因になります。手触りを良くしたいと思っても、撥水加工されたリュックに柔軟剤を使用するのは絶対にやめましょう。
洗濯後に撥水性が落ちてしまったと感じた場合は、後述する防水スプレーによるケアが非常に有効です。正しくお手入れをすれば、ある程度の撥水機能を取り戻すことが可能です。
脱水から無印リュックの干し方まで

洗いとすすぎが終わったら、最後の仕上げである脱水と乾燥です。ここでの手順が、型崩れを防ぐ上で最も重要なポイントとなります。
脱水はタオルドライで
洗濯機での脱水は型崩れの最大の原因となるため、絶対に行わないでください。すすぎが終わったリュックは、まず手で優しく押して大まかな水分を切ります。その後、乾いた大きなバスタオルの上にリュックを広げ、もう一枚のタオルで挟み込むようにして、上から優しく押して水分を吸い取らせます。これをタオルを替えながら数回繰り返します。
形を整えて陰干し
タオルドライが終わったら、リュックの形を整えます。中に乾いたタオルなどを詰めると、型崩れを防ぎ、内部の乾燥を早める効果があります。そして、必ず風通しの良い日陰で干してください。直射日光は、色褪せや生地の劣化を招く原因になります。物干し竿に直接かけるのではなく、太めのハンガーを2本使うなどして、リュックの重さが分散するように工夫すると、型崩れをより効果的に防げます。
私の場合、完全に乾くまでには2日ほどかかりました。特にショルダーパッドや背面のクッション部分は乾きにくいので、焦らずじっくりと時間をかけて乾燥させることが大切です。
防水スプレーでのお手入れ方法
リュックが完全に乾いたら、いよいよ最後の仕上げです。ここでは防水スプレーを使ったお手入れ方法を解説します。この一手間を加えることで、洗濯によって低下してしまった撥水効果を補い、さらに汚れが付きにくくなるという大きなメリットが生まれます。言ってしまえば、リュックの表面に見えないバリアを張るようなものです。これが出来れば、急な雨からリュックの中身を守れるだけでなく、泥はねなどの日常的な汚れも簡単に拭き取れるようになります。
防水スプレーは「フッ素系」がおすすめ
防水スプレーには主に「フッ素系」と「シリコン系」の2種類が存在します。リュックのような繊維製品には、通気性を損なわずに水も油も弾く「フッ素系」を選ぶのが最適です。シリコン系は安価ですが、生地の通気性を妨げてしまう可能性があるため、衣類やバッグへの使用は避けた方が賢明でしょう。購入時には、必ず用途に「布用」「繊維用」と記載があるかを確認してください。
ステップ1:使用前の準備を徹底する
防水スプレーの効果を最大限に引き出すためには、準備が非常に重要になります。まず、リュックが内側まで完全に乾いていることを必ず確認してください。もし湿り気が残った状態でスプレーを吹き付けても、成分がうまく繊維に定着せず、効果が半減したり、シミやムラの原因になったりします。
次に、作業場所を確保します。防水スプレーの粒子は非常に細かく、吸い込むと健康に害を及ぼす恐れがあるため、必ず屋外の、風通しが良い場所で行ってください。ベランダや庭などが理想的です。室内での使用は絶対に避けましょう。また、床や周囲が汚れないように、下に新聞紙や段ボールを敷いておくと後片付けが楽になります。
変色のリスクに備える
ほとんどの製品は問題ありませんが、リュックの素材や染料との相性によっては、ごく稀に変色やシミが起こる可能性もゼロではありません。本格的に使用する前に、リュックの底面や内側など、目立たない部分で少量試してから全体に使うと、より安心して作業を進められます。
ステップ2:正しく、むらなくスプレーする
準備が整ったら、リュックから20cmほど距離を保ち、全体に均一にスプレーしていきます。一箇所に集中して吹き付けるのではなく、缶をゆっくりと動かしながら、生地がしっとりと濡れる程度にまんべんなく吹き付けてください。液が垂れるほどかけすぎるのは、かえってシミの原因になるため注意が必要です。
特に、雨が直接当たりやすい上部や、地面に置いた際に汚れやすい底面、そして水の侵入経路となりやすいファスナーや生地の縫い目部分は、少し念入りにスプレーしておくと効果的です。このように、弱点を補強する意識で作業すると良いでしょう。
ステップ3:成分を定着させるための乾燥
スプレーをかけ終わったら、それで完了ではありません。吹き付けたフッ素樹脂を繊維にしっかりと定着させるための乾燥時間が必要です。製品の取扱説明書に記載された時間(多くは30分以上)を目安に、洗濯時と同様に風通しの良い日陰で干してください。この乾燥工程を丁寧に行うことで、防水効果が長持ちします。
効果は永久ではない
この防水効果は永久に持続するわけではありません。使用頻度や雨に濡れる回数にもよりますが、効果が薄れてきたと感じたら、定期的(例えば1〜2ヶ月に一度)に再度スプレーすることで、常に高い撥水性と防汚性を維持できます。
このように、少しの手間をかけるだけで、大切なリュックを水や汚れから守り、より長く快適に使い続けることが可能になります。より詳しい安全性については、厚生労働省の「防水スプレー等の安全対策について「防水スプレー等の安全対策について(参照:厚生労働省)」」のページも参考にしてください。
失敗しない無印リュック洗濯表示の総まとめ

この記事では、無印リュックの洗濯表示の正しい見方から、具体的な洗い方、アフターケアまでを解説しました。最後に、大切なポイントをリストで振り返ってみましょう。
- 無印良品のリュックは公式には洗濯不可とされている
- 洗濯する場合は「自己責任」が原則となる
- 洗濯機は型崩れや生地劣化のリスクが高いため避けるべき
- 最も安全な方法は「おしゃれ着用中性洗剤」を使った手洗い
- 洗う前には必ず洗濯表示タグとリュックの素材を確認する
- 頑固な汚れは全体を洗う前に部分洗いで落としておく
- 洗い方は優しく押したり揺らしたりする「押し洗い」が基本
- 洗剤が残らないよう、すすぎは丁寧に行う
- 「肩の負担を軽くする」シリーズのパッドは強く揉まない
- 撥水加工のリュックに柔軟剤は絶対に使用しない
- 脱水は洗濯機を使わず、タオルドライで行う
- 形を整え、必ず風通しの良い日陰で完全に乾かす
- 直射日光は色褪せの原因になるため避ける
- 完全に乾いた後に防水スプレーをかけると撥水性と防汚効果がアップする
- 少しの手間をかけることが、お気に入りのリュックを長くきれいに使い続ける秘訣